眠りの問題と頻尿の関係について

?php echo $h1; ?>イメージ

泌尿器科を受診される患者さんのお話を伺っていると、眠りの問題を訴える方がよくいらっしゃいます。特に夜間頻尿の患者さんにその傾向が強く見られます。
実は夜間頻尿と眠りの問題は密接に関係しており、尿の問題が睡眠障害・不眠との悪循環に陥る原因になることがあります。

一般的にご高齢の方は若い方に比べて深い睡眠の頻度が減り、眠りが浅く夜中に目が覚めてしまう事が多くなります。夜間頻尿の回数と中途覚醒には相関関係があり、夜間頻尿が睡眠障害の原因となるとともに、睡眠障害が夜間頻尿を引き起こすこともあります。
夜間のトイレ後に眠れない場合や、浅い眠りからの目が覚めてしまうことは膀胱の容量の低下に繋がり、尿意の原因となります。また、トイレに起きた時に光を浴びることで交感神経の機能を亢進させ、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌の抑制の原因となり、睡眠障害・不眠の原因となって悪循環に陥ってしまうのです。そのため、泌尿器科ではこの悪循環を断ち切ることで、患者さんの生活の質と眠りの問題の改善を行っています。

夜間頻尿の方は生活習慣の改善を

夜間頻尿と眠りの問題は、以下のような生活習慣の改善を行うことも有効です。

  • 就寝前に水を飲まないようにする
  • 就寝の3~4時間前にはコーヒーや紅茶、アルコールを避けるようにする
  • 就寝の1~2時間前や中途覚醒時には喫煙をしないようにする
  • 昼間になるべく光を浴びるようにする(夜間のメラトニンの分泌量が増加します)
  • 規則正しい食事習慣を心掛ける
  • 就寝の1~2時間に入浴をするようにする
  • 夕方に軽い運動をする

また、高血圧や糖尿病の患者さんには、全身状態やその他の生活習慣にも配慮した対策が必要となりますが、当クリニックでは生活習慣病のご相談もお受けしており、眠りの問題を含めた対応が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群

夜間頻尿の患者さんには、眠りの問題の他に睡眠時無呼吸症候群が見つかる場合があります。
どうして、いびきや無呼吸が夜間頻尿に繋がるかというと、睡眠中に無呼吸になると低酸素血症になります。そして、心臓に負担が掛かることで心房性利尿ペプチドと呼ばれる利尿を促進させるホルモンの分泌が増加し、夜間頻尿が発症します。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まっている状態が何度も出現する病気です。寝ている間は、昼間の活動時よりも相対的に少ない呼吸で大丈夫ですが、それでも常に呼吸を行い、二酸化炭素を排出するとともに、新鮮な空気を体内に取り込む必要があります。睡眠時無呼吸症候群になると呼吸が妨げられるため、十分な睡眠効果を得ることが出来ません。そのため、昼間に眠気が襲ってきたり、熟睡が得られずに仕事や家事などの能率が低下するなど、日常生活に支障を来たすようになります。
特に、車を運転している最中に強い眠気が起こり、交通事故を起こす事例が社会問題となっています。夜間頻尿が気になる方で、運転時の睡魔を何度も経験されている方は、まずは当院にご相談ください。

生活習慣の改善について

睡眠時無呼吸症候群は、肥満などの原因によって悪化するケースがよく見られます。このような場合は、肥満を改善するため、食事の量(カロリー摂取量)を減らし、適度な運動を継続的に行うようにします。アルコールは気道の閉塞を悪化させますので、過度の飲酒は控えるようにしましょう。